雪国で玉ねぎを育てる。福井の2月、追肥できない畑と3月の逆転劇

「追肥の適期なのに、畑が雪の下に消えた。」

福井で休日農家をしているリエです。
2月、農業カレンダーが「今が玉ねぎの追肥どき!」と告げる中、私の畑は一面の銀世界でした。雪国で農業をするということは、こういうことです。自然との根くらべです。

この記事では、福井の雪事情と玉ねぎ栽培のスケジュール、そして雪に閉じ込められた2月をどう過ごしたかをお伝えします。

福井の冬、農家にとって2月とはどんな季節か

福井県は日本海側に位置し、冬は北陸特有の重い雪が降り続きます。
年間降雪量は多い年で2メートルを超えることもあり、平野部でも畑が完全に雪の下に埋まるのは珍しくありません。特に私が住む地域は山間部なので、福井県でも雪が多い地方です。

農業カレンダー上では2月中旬〜下旬は「玉ねぎの追肥(2回目)」の適期です。
春に向けて球をぐっと肥大させるための大切な肥料やり。これを逃すと収穫量に直結します。でも現実はというと、どこが畝でどこに苗が植わっているのかすら、雪で全く分かりません。

肥料を持って畑に向かうことすら、一苦労です。

そもそも玉ねぎ栽培、追肥はなぜ大事なのか

玉ねぎは定植後から収穫まで、2回の追肥タイミングがあります。

時期 目的
12月〜1月(1回目) 越冬前の株の充実
2月中旬〜下旬(2回目・止め肥) 春の肥大促進・これが最後の追肥

2回目は「止め肥」とも呼ばれる最後の追肥です。
春の肥大期に向けて窒素・カリウムをしっかり補給することで球がぐんぐん育ちます。逆に追肥が遅れると窒素が効きすぎた状態になり、球が軟弱になって貯蔵中に腐敗しやすくなると言われています。

雪国の農家にとって「適期にできない」というのは、毎年悩ましい問題なのです。

畑に行けないなら、家でできることをやる

外での作業が完全にストップしてしまったこの時期、私がやっていたことはふたつです。

① 春の作業計画を立てる

雪が溶けたらすぐ動けるよう、追肥のタイミング・使う肥料の量・次に植えるもののスケジュールをジェミニに書き出しました。焦っても畑には行けないので、頭の中を整理する時間として割り切ることにしました。ジェミニめっちゃ便利!

② 手を動かして気持ちを切り替える

今編んでいるのは春用のカーディガン。外の真っ白な景色とは対照的な、新緑のような鮮やかなグリーンの毛糸です。この色を見ていると、雪の下でじっと耐えている玉ねぎたちも、春にはきっとこんな風に元気な芽を伸ばしてくれるはず……と、少し前向きな気持ちになれます。

編み物に集中していると、背中に温かい塊がくっついてきます。黒柴の「にゃーす」です。膝には滅多に乗らないけれど、こうして背中合わせで体温を感じるのが彼女なりの甘え方。少し離れたハンモックでは、ビーグルの「たいむ」が鼻をヒクヒクさせながら爆睡中。この2匹がいるから、雪に閉じ込められた日も退屈しません。

追記:そして3月、雪が溶けたら一気に動いた

2月末、一気に気温が上がり雪が解けました。畑を見に行くと、雪の下でじっと耐えていた玉ねぎの苗たちがちゃんと生きていました。少し葉が傷んでいるものもありましたが、大半は無事。福井の玉ねぎは強い。

3月初旬、追肥を完了しました。少し時期は遅れましたが、まだ間に合う範囲。肥料を撒きながら「よし、あとは頼んだよ」と声をかけました。春の収穫が楽しみです。

雪国での農業は、計画通りにいかないことの連続です。でも、自然のペースに合わせながら、できることをやる。それが雪国の農家の流儀なのかもしれないと、今年も改めて感じました。

まとめ:雪国農業は「待つ力」も必要

福井の2月は、農業カレンダーと現実のギャップが一番大きい時期です。焦っても雪は溶けません。それより、溶けたときに即動けるよう準備しておくことの方がずっと大切だと学びました。

  • 玉ねぎの2回目追肥は2月中旬〜下旬が理想だが、雪国では3月初旬までなら対応可能
  • 畑に行けない期間は、春の作業計画を立てる時間に充てる
  • 雪の下でも玉ねぎは意外と強い——焦りすぎなくて大丈夫

来年の自分と、同じく雪国で農業をしている誰かの参考になれば嬉しいです。

これからも「にゃーすたいむ」では、福井の四季の中での畑仕事と、にゃーす・たいむとのドタバタ日常をお届けしていきます。のんびりお付き合いください。

川沿いの畑は完全に雪の下。玉ねぎたち、無事だろうか…。

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